声帯の動画を見ながら、発声法を徹底解説!”

日本全国津々浦々、どこへ行っても、ごく一般的には、お腹で支える、いわゆる腹式呼吸で歌うのが当たり前のように言われますが、衝撃の事実を皆さんご存じでしたか?
なんと、お腹に力を入れると、お腹の筋肉と喉の筋肉は連動するため、必然的に喉も閉まりやすくなるのです!
結果、声帯が薄っぺらさを保つことが難しくなり、すると声を出す度に声帯は必要以上に触れ合い、その摩擦面積が広い分、声帯を痛めてしまう可能性が高くなります。
喉に力が入った状態だと、声帯が自由に動けるスペースがないため、イメージした音程が作りにくいのが、実情です。 つまり、声帯を傷めることなく、ラクに、しかもクオリティ高い歌を歌っていくには、または健康的に声を出し続けるには、喉は常に開いていないといけないのです。
では、どうやって喉を開いたままキープし、声を出すのか?
それは、子供の頃の発声にヒントがあります。

>> 詳しくはこちらをご覧ください。

私が歌っている時の声帯の動画をご覧ください。

※映像がグロテスクなので、苦手な方はご覧にならないようにお願いします。

常に声帯が丸見えですね。
つまり、確実に常に喉の開きを保ったまま声を出すことができています。 しかも、地声のような音色で…
実は、私たちの発声法では、地声に近い音色を、喉を閉めることなく、必要最小限の触れ合いで、つまり全く声帯を痛めることなく、長時間出し続けることができるのです。
トレーニングを続ければ、その音色はどんどん太く強く成長していき、何歳になっても声にツヤが保たれます。

私たちの発声法の成り立ちと医学との関係

200年以上昔、イタリアの音楽学校では、マイクの無い時代に、大ホールで大音量で自由に歌えるオペラ歌手を養成するために、まずは体のどの部分にも力を入れず、声帯とその周りの筋肉のみを鍛え、その後でお腹からの大量の空気や力を加える・・・という発声法が教えられていました。

言ってみれば、当時は、
【第1章 声帯とその周りの筋肉のみを鍛える】
【第2章 そこにお腹の力と大量の空気を加える】 が存在したということです。

しかし、当時の医学では中の様子を見ることはできなかったことから、目に見えない部位を動かすことを教えるのは難しいと感じたボイストレーナーが続出し、第1章をやめてしまい、いきなりお腹を使う第2章から始めることが一般的になってしまったのが、今現在世界中に広がっている、いわゆる腹式呼吸一辺倒の常識の始まりです。

私たちの発声法は、ロシア系アメリカ人であるウラジミール・シュストロフ氏によって、その200年以上昔のイタリアの発声法を現代医学と結びつけた形で集大成されました。
第二次大戦下、捕虜としてアメリカに捕らえられたシュストロフ氏は、身柄を拘束されながらも、多くの捕虜兵がたばこなどの嗜好品を求めるところ、彼だけはこの発声法の研究のために、たくさんの医学書を求め、それらを片っ端から読みあさり、捕虜兵を実験台に研究したと言われています。
つまり、声帯がどのように動き、声がどのように作られ、どこをどのように通って出てくるかを理解した上でエクササイズが作られ、指導法が成り立っていることがそこからもお分かりいただけるでしょう。
そのため、私のレッスンに興味を持たれ、通われる生徒さんに医師が多いのも納得ですし、私の先生であるKevynやその先生であるママヘレン(ヘレン・マッコマス)の元にも、医師でこの発声法を学ばれる方が後を絶たなかったのも、そのためでしょう。

トレーニングの最終目安“ユナイテッドボイス”とは?

200年以上前のイタリアオペラ界では、女性は参加できなかったため、その代わりに、男性が女性役も担っていました。
女性と同じ高音部を歌う男性、いわゆる“カストラート”です。
男性が女性の音域を歌うために、ファリンジャルボイスと呼ばれる金属音の一層分を加えるトレーニングを行いました。
私たちの発声法によりトレーニングを行うと、通算約3,4年でファリンジャルボイスが自然と入り始め、男性も女性も、ファリンジャルボイスがいわゆる喚声点と言われる中音から高音あたりをカバーすることで、全音域が地声のような音色で歌えるようになり、特に男性は、歌える音域が4オクターブ近くになります。
その状態を私たちの発声法では、ミックスボイスならぬ、“ユナイテッドボイス”と呼んでいます。
英語の単語の意味からして、ミックスされたものは、分けることができませんが、私たちのユナイテッドボイスは、地声のような金属的な音色といわゆる空洞感のある裏声のような音色に、いくらでも分けることができるので、そのように名付けられたと聞いています。

ユナイテッドボイスの状態であれば、いわゆる切り替えが無くなるので、自由に歌えることはもうお分かりですよね?
しかし、私たちの発声法は、すべてを地声のような音色で歌うことが最終目標ではありません。
様々な音色を自由に操り、思い通りに、表現豊かに歌えることが、私たちの発声法の最終目標です。
そこをどうぞお間違え無く!

ユナイテッドボイスになった後も、トレーニングをし続けると、それ以上に金属音は太くなり、よりスムーズさを増します。
表現の幅も増えますし、生まれながらにして、か細い声を持った人でも、太い力強い声に成長を続け、トレーニングをやめない限り、人生最後の瞬間まで、声の若さ、ツヤもキープし続けることができます。
必要最小限の声帯の触れ合いと、必要最小限の空気量、不必要な力を加えないこと・・・それをいつも心がけることで、実現されるのです。

>> 医師との連携 

近年、つんく♂さんが、喉頭ガンを発症し、声帯を摘出したおかげで、声を失ってしまったことは、私たちにとって、かなり衝撃の出来事だったと思います。

声帯を分厚い状態で常に触れ合わせていると、その摩擦でそこに水膨れやタコができます。
それを、ポリープや結節と呼び、機能性発声障害と診断されます。
そうして、長年に渡り、何度も炎症を繰り返し、もし過度の飲酒や喫煙も伴うと、そこにガンを発症する可能性が大幅に出てきます。
つまり、つんく♂さんのようなことが起こり得ないと言えます。

声帯の薄っぺらさを保ち、喉を開いたままで、必要最小限の触れ合いで声を出し続ける。
このように普段の会話が行われれば、歌う時もその状態に持っていきやすくなり、一生喉を痛めることのない発声が手に入ると言えるでしょう。

ただ、1つ注意をしなければいけないのは、声の出し方が原因でない”声枯れ”が存在することです。

耳鼻科医である澤田正樹先生と、関西を始め、あちこちでご活躍の言語聴覚士の方々のお話しを伺う機会があった時に、声に関する医療の専門家達が口を揃えて言われていたのは、喉頭ガンや結核などの病気が原因で声枯れを発症しているかもしれないので、声枯れを感じたら、ただの声枯れだと思わずに、まずは医師に声帯をきちんと診てもらい、そういった危険性がないことを確認してからトレーニングに入られることをオススメしてください…とのことでした。

そういったことから、今後我がナチュラルボーカルアカデミーに、ボイトレの相談に来られた方には、双方の安心のため、その方にもし声帯を診てくださる主治医がいらっしゃらない場合は、私がこちらの澤田正樹先生を自信を持ってご紹介し、必要であれば声帯の状態を確認しながら、つまり医師との連携を取りながら、トレーニングを進めて行くことにいたします。

『声は、コミュニケーションをとる上で、自分を表現するとても大事なツールである。
その声を出しやすくすることは、いわば人を幸せにすること。
そういう意味でも、私たちは同じ方向を向いている。
もし自由に歌えたら尚良いじゃないか!』(澤田正樹先生 談)
と、ある意味閉鎖的な西洋医学の世界と、私たちボイストレーニングの世界を繋いで下さった、その技術や知識もさることながら、とても懐の広い先生でいらっしゃいます。
どうぞ、お気軽にご相談くださいませ。

 


澤田 正樹先生
さわだクリニック 院長(形成外科、耳鼻咽喉科)

〒657-0051 兵庫県神戸市灘区八幡町2丁目8-7 セントビル3F
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